ヘリコプター免許を取得してみたいけど、下記のような悩みをかかえて、動き出せずにいませんか?
「そもそもヘリコプター免許はどうやって取得するものなのだろう?」
「どのような取得方法があるの?それにはどのくらいの費用・期間が必要になるの?」
空を自由に飛びたい、または高度な技術を持って空中での仕事をしたい、でも実際なにから始めたらいいのかは分からない。そんな方のために、この記事では航空会社でフライトスクールの運営をおこなっている著者が、今までの知見を活かして、上記のような疑問に加え、下記のような疑問を解消します。
- ヘリコプター免許を取得するにはどういった方法があるのか
- ヘリコプター免許を取得するためには具体的にどうすればいいのか
- ヘリコプター免許を取得するためにはどのくらいの費用と期間が必要なのか
この記事を読むことで、パイロットを目指したり、趣味でフライトを楽しんだりするために必要な、ヘリコプター免許を取得する上での疑問が解消されます。実際の体験談を元に、免許取得への道のりを明確に解説します。
実は、ヘリコプター免許は3種類ある
ヘリコプター免許には、飛行する目的によって免許の種類が異なります。ヘリコプターを何のために操縦したいのか?まずは、自分の目的に合ったヘリコプターの免許を把握していくところからはじめましょう。
ヘリコプター免許の種類とその特徴
ヘリコプター免許の種類は大きく分けて3種類です。自家用操縦士免許・事業用操縦士免許・定期運送用操縦士免許とそれぞれ区別された資格が存在します。
趣味として楽しむ「自家用操縦士免許」
自家用操縦士免許とは、趣味として個人的に回転翼(ヘリコプター)の操縦をするための免許です。他者から報酬を得るなどの、事業目的の飛行はできませんが、無償であれば、友達や家族を乗せて飛ぶことができます。機体の共同所有をするフライトクラブに加入して、操縦そのものを楽しんだり、海の上や、自分の住んでいる街を飛ぶ遊覧飛行など、趣味としてフライトを楽しみたい方が取得をする免許です。
ヘリパイとして働く「事業用操縦士免許」
事業用操縦士免許とは、報道の取材や、上空からの遊覧、ドクターヘリや災害ヘリなどといったビジネスを目的として、ヘリコプターの操縦をするために必要な免許です。仕事としてプロのパイロットを目指したいという方は、自家用の免許を取得した後で、事業用操縦士免許を取得する必要があります。
就職後に取得する「定期運送用操縦士免許」
定期運送用操縦士免許とは、ヘリコプターの定期便を操縦するための国家資格です。操縦士の最上位と言われており、もっとも取得が困難となっている免許です。こちらは1,500時間以上の総飛行時間が必要となっており、就職後に何年もの飛行訓練を経てから取得するのが一般的です。
ヘリコプター免許を取得するにはどのような方法がある?
ヘリコプター免許を取得するには、いくつかの方法が考えられます。下記にそれぞれの方法を詳しく紹介します。
フライトスクールに入学して訓練を受ける方法
フライトスクールに入学して、パイロットとしてのキャリアを準備するための訓練をおこないます。経験豊富なインストラクターの指導のもと、基本的な飛行操作から応用技術までの、パイロットになるための必要な知識を学ぶことができます。こちらは、多くの人が選ぶ方法です。
ヘリコプターを購入して個人で訓練を受ける方法
フリトスクールに通う以外の方法として、自分で自家用ヘリコプターを購入して、専任のインストラクターからマンツーマンの指導を受ける方法があります。しかしながら、こちらはあまり現実的な方法ではなく、おすすめしません。理由としては、ヘリコプターを購入し、所持するには高額な資金が必要となり、インストラクターを見つけることも簡単なことではないからです。
自衛隊に入り訓練を受ける方法
仕事関係で免許を取得する方法です。自衛隊でヘリコプターを操縦するためには、自衛官としての採用を得て、航空学校での訓練を受ける必要があります。ただし、自衛隊内で取得した技術は、自衛隊の外に出ると免許として通用しません。民間でのヘリコプターの操縦とは異なる免許だということを覚えておきましょう。
自分の生活スタイルや取得の目的、予算によって、ヘリコプター免許の取得方法は異なりますが、今回はもっとも一般的である「フライトスクールに入学してヘリコプター免許を取得する方法」についてご紹介していきます。
自家用ヘリコプター免許を取得するための3ステップ
ヘリコプター免許取得の一般的な流れとして、大きく3ステップあります。
ステップ1:フライトスクールの入学
ステップ2:フライトスクールでの訓練
ステップ3:学科試験・実技試験
それでは、各ステップごとに詳しく説明していきます。
ステップ1:フライトスクールの入学
フライトスクールに入学すると、まずは身体検査を受けることが義務付けられています。自家用免許を取得する場合には、第二種航空身体検査証明書が必要です。身体検査の中でも「視力」は非常に重要です。自家用免許の場合は下記が視力の基準になります。
- 各眼が裸眼で0.7以上の遠見視力を有すること。
- 各眼について、各レンズの屈折度が(±)8ジオプトリーを超えない範囲の常用眼鏡により0.7以上に矯正することができること。
視力測定のほかに、眼圧の測定や遠近感の検査、色覚の関する検査など、細かく実施されます。
また、レンズの屈折度が(±)8ジオプトリーを超えない範囲となっていますが、こちらは医療機関や眼鏡店で簡単に調べることができます。視力が不安な人は事前に調べておくことをおすすめします。
第二種航空身体検査に関する詳しい項目に関しては、「航空身体検査マニュアル」をご確認ください。
ステップ2:フライトスクールでの訓練
航空身体検査で問題がなければ、次は訓練を行います。実技試験を申請するまでに以下の受験資格を満たしておくことが必須です。
受験資格としては、総飛行時間40時間が最低限必要になります。ただ、試験に合格するための技量をつけるためには、日本の場合は約100時間ほどの実技訓練が必要になります。また、学科試験対策の座学も約100時間ほどとなります。
一方、アメリカで取得する場合は、日本の試験と比較すると難易度が低いため、実技・学科ともに約60時間ほどで免許取得可能です。また、取得した免許は日本に書き換えが可能です。
日本 | アメリカ | |
座学訓練 | 100時間 | 60時間 |
実技訓練 | 100時間 | 60時間 |
ステップ3:学科試験・実技試験
スクールでの訓練を終え、飛行履歴をクリアできれば、次はいよいよ国家試験を受験します。
まずは、学科試験を受けます。合格すると口述試験と実技試験を受けます。日本で飛行するためには、「航空特殊無線技士」の資格が必要となります。試験内容は下記の通りです。
学科試験
・航空工学
・航空気象
・空中航法
・航空通信
・航空法規
実技試験
・運航に必要な知識
・飛行前作業
・飛行機および場周経路における運航
・各種離陸および着陸ならびに着陸復行および離陸中止
・基本的な計器による飛行
・空中操作
・野外飛行および形式の特性に応じた飛行
・異常時および緊急時の操作
・航空交通管制機関等との連絡
・総合能力
晴れてすべての試験に合格すると、自家用操縦士免許を取得することができます。
自家用ヘリコプター免許を取得した方の体験談
ヘリコプター免許の取得の流れについて、なんとなくイメージができたかと思います。次に、実際に免許を取得した方はどのように実現させたのか、体験談をもとに、その秘訣や経験を詳しくみていきましょう。
こちらの方は、仕事と訓練を両立させるためにスクールの通いやすさを重視して、仕事終わりに座学、休日に実技という訓練スケジュールで、自家用免許を取得されています。
仕事をしながら訓練をするのは大変でしたが、自分で決めてやることにしたのだから頑張りました。
まず、フライトスクールですが、会社が土日と祝日が休みのため、休みの日はすべて訓練が受けられるように自宅から車で1時間で通える学校を選びました。
基本的な訓練のスケジュールとしては、平日に座学、土日・祝日に実技訓練をしていました。
座学は特殊無線通信士や学科試験対策があり、平日の夜、仕事終わりにフライトスクールに通い、1〜2時間ほど受講していました。順調に座学は進み、すべて一発合格することができました。
実技訓練は、仕事がお休みの日にできる限り実施しました。ただ、実技訓練はどうしても平日の5日間は実施できないため、いかに習った内容を忘れないか、技術を落とさないかが大変でした。そのため、仕事後の平日の夜はトレーニングのマニュアルに目を通したり、操縦方法を解説する動画を見たりと勉強やイメージトレーニングをおこなっていました。
実技試験を申請してから受験日までの約1ヶ月の間は、実地試験の口頭試問対策や実地試験対策訓練を重点的に行いました。
試験は平日のため、何とか休みを取って実地試験を受けました。
当日は朝早くから整備士の方々に機体の準備をしていただき、スタッフの方が試験官を迎えに行って、もちろん試験立ち会い教官ともう1人教官にもサポートしていただき受験しました。
すべてのスタッフの方々からサポートしていただき無事に合格することができ、念願のヘリコプターパイロットライセンスを取得しました。
要約元:仕事をしながら訓練して就職した方のケース
平日は仕事を終えた後に座学の受講に加えて、飛行手順の暗記やイメージトレーニングを積極的にされていたとのことでした。自習をするかしないかで、上達する速さが変わってきます。
自家用ヘリコプター免許取得にかかる費用と期間
自家用免許は日本で取得する方法とアメリカで取得する方法があり、それぞれでかかる費用と期間が違います。日本では約820万円〜1,270万円ほどの訓練費が必要となり、取得までに6ヶ月〜10ヶ月かかります。アメリカでは約486万円〜659万円ほどの訓練費が必要となり、取得までに2〜3ヶ月かかります。
日本 | アメリカ | |
---|---|---|
費用 | 約820〜1,270万円 | 約486〜659万円 |
期間 | 6〜10ヶ月 | 2〜3ヶ月 |
一般的にアメリカでは機体レンタル費用が安いため、日本で取得するよりも安い費用で免許取得が可能と言われています。ユニバーサルエアーではアメリカでのヘリコプター免許の取得サポートを行っていますので気になった方は下記より資料請求お願いします。
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事業用ヘリコプター免許を取得するための3ステップ
仕事としてプロのパイロットを目指したいという方は、事業用操縦士免許を取得する必要があります。今回は、最も一般的なフライトスクールにて事業用操縦士の資格を取得する方法を解説します。その他のヘリコプターパイロットの道を知りたい方はこちらの記事も見てみてください。
ステップ1:フライトスクールの入学
フライトスクールに入学して、航空身体検査を受けます。事業用免許を取得する場合には、第一種航空身体検査証明書が必要です。第一種航空身体検査は指定された医療施設で行われます。年に1回の更新が必要となります。事業用免許の場合は下記が視力の基準になります。
- 各眼が裸眼で0.7以上及び両眼で1.0以上の遠見視力を有すること。
- 各眼について、各レンズの屈折度が(±)8ジオプトリーを超えない範囲の 常用眼鏡により0.7以上、かつ、両眼で1.0以上に矯正することができる こと。
第一種航空身体検査に関する詳しい項目に関しては、「航空身体検査マニュアル」をご確認ください。
ステップ2:フライトスクールでの訓練
航空身体検査で問題がなければ、次はフライトスクールに入って訓練を行います。実地試験を申請するまでに以下の受験資格を満たしておくことが必須です。
ステップ3:学科試験・実技試験
スクールでの訓練を終え、飛行履歴をクリアできれば、次はいよいよ国家試験を受験します。日本で飛行するためには、「航空無線通信士」の資格が必要となります。試験内容は下記の通りです。
学科試験:
・航空工学
・航空気象
・空中航法
・航空通信
・航空法規
実技試験:
・外部視認飛行
・野外飛行
学科試験、口述試験、実技試験に合格すると事業用操縦士免許を取得することができます。
事業用ヘリコプター免許取得にかかる費用と期間
事業用操縦士免許取得には1,300万〜1,800万円ほどの訓練費が必要となり、取得までに1〜2年かかります。自家用免許取得後、事業用申請に必要な機長時間付けなどの準備が済んでいる場合は、追加訓練として500万円ほどの費用がかかります。
ヘリコプター免許がもたらす新たな可能性と魅力
ヘリコプター免許を取得した後の生活は、多くの人にとって一変するものとなります。自家用ヘリコプター免許を取得した際には、プライベートでヘリコプターを操縦することができるようになり、交通渋滞を気にすることなく、短時間で目的地に到着することができます。そのため、地方出張や空港までの移動手段として、ビジネスシーンで活用することもできます。また、上空から夕日や夜景を眺めるなどといった、普段の生活では味わえないような経験もできるようになります。
事業用ヘリコプター免許を取得した際には、プロのパイロットとして職に就くことができるようになり、キャリアの選択肢が広がります。航空関連の仕事はもちろん、空撮、救助活動などの特別な職種への道も考えられます。また、ヘリコプター関連のイベントやセミナーに参加することによって、人脈を広げることが可能です。同じ趣味を持つ人々との出会いが増え、新たなビジネスチャンスを得ることができるかもしれません。
そして、へリコプターパイロットの年収はというと、駆け出しの操縦士は500万円ほど、熟練の操縦士になると1,000万円以上です。職人と同じで、経験や技量が上がれば、収入も上がります。他の職業と比べても、比較的年収は高いといえるでしょう。ヘリコプターパイロットになるに必要な免許取得に1,000万円以上の訓練費用がかかってしまうものの、その後の年収を考えるとその価値は十分にあるといえます。
まとめ【ヘリコプター免許ならユニバーサルエアー】
いかがでしたでしょうか?このガイドを通して、ヘリコプター免許の取得方法、基本的なステップ、そして実際の体験談を知ることができました。ヘリコプターの免許を取得することで、新たなキャリアをスタートさせることができるだけでなく、日常生活にも多くの魅力をもたらします。プロとしてだけでなく、趣味としても、夢のある資格だと思います。キャリアアップや趣味を充実させるために取得したいという方の挑戦を、心から応援しています。
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